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昭和 12 年学会会員の皆様

 今年もはや6 月となりました。沖縄以外の日本各地は梅雨のシーズンに入りましたが、 会員の皆様におかれましては、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。  昨年末に中国の武漢で発生した新型コロナウイルス感染症は世界中に広がり、いまだ終 息の目処はたちません。わが日本国でも、東京オリンピックの延期のみならず、ありとあらゆることが影響を受けています。  昭和 12 年学会も、今年 3 月に開催した公開研究会のあとは、活動を自粛せざるを得ず、2回の公開研究会もキャンセルになったままで、皆様にはご無沙汰いたしております。  先般 6 月 4 日に、3カ月ぶりで直接対面する理事会を開催し、今後の予定を話し合いま した。重大なことばかりですので、会長である私から皆様にご説明したいと思います。
一 本年 11 月に予定しておりました第3回研究発表大会は、会場を提供してくれる大学自体が本格始動をしておりませんので、部屋の空き状況もわからず、日程を決めることができません。11 月に自由な移動が全国的にできるようになっているのかも、現時点では確約できませんので、来年に延期することを理事会で決めました。誠に残念ですが、会員の皆様にご了承いただきたく、この段、よろしくお願い申し上げます。
二 4 月、5 月に予定していた公開研究会は、8 月 29 日(土)午後、お二人の先生方に同日に研究発表していただくことにしました。会場はハロー貸会議室築地東銀座3Fの広い部屋です。詳細は別途お知らせいたします。
三 第 1 回、第 2 回の研究発表大会で報告いただきました先生方の論考は、倉山満、峯崎 恭輔両先生に続き、樋口恒晴先生の論考が PDF 論文になりました。学会 HP からお読みい ただけます。その他の先生方の論考も、引き続き、PDF 論文にしてご覧いただけるように してまいりますので、学会活動としましては、こちらをご参照いただきたく思います。
四 第3回研究発表大会が来年 11 月まで延期となると、あまりにも遠い将来になりますので、皆様の移動が自由になりましたら、研究発表大会の前に公開研究会を開くということも考えております。事務局としましては、HP の充実やメルマガの頻度と情報量を増すなど、 会員の皆様に何らかの形で貢献できることを考えていきたく思います。ご意見、ご…

樋口恒晴 日本陸軍の戦争準備状況 昭和12年学会論文3号

昭和12年学会論文3号
公開日:令和2年5月28日
著者:樋口恒晴
Author:HIGUCHI Tsuneharu
題目:日本陸軍の戦争準備状況
Title:What Kind of Wars was the Japanese Army Ready to Fight 論文要旨  本論は、主に物理的裏付けに焦点をあて、主として日華事変前夜までの日本陸軍が本当はどのような戦争ないし武力紛争を想定し準備していたのか、あるいは準備していなかったのかについて考察した論考である。  そこで、第一に、列強標準とはどのようなものだったかを理解しなければならない。それも、戦術面のみならず、それを支える狭い意味での兵站にとどまらない国家体制そのものについて見ていかなくてはならない。この問題を、1.および2.で取り扱う。 3.で初めて日本陸軍を取り扱う。ここでは欧州戦争(第一次大戦)後期から戦間期初期にかけての近代化努力とそれが中途半端に終わった顛末について見ていく。4.では日華事変前夜の日本軍の補給その他の実情を見ていき、それから戦車開発事情、そして航空ガソリン開発の立ち後れを指摘する。 5.では、日本陸軍が、第一次大戦の戦訓を踏まえた列強標準の重戦闘に耐えうる態勢をつくることは断念されていたということを指摘したうえで、大陸における半年以内の大規模治安戦または国境紛争対処以上の目標をもち得なかったことを確認する。そして最後に、今日の陸上自衛隊の問題について附言する。